
放課後、誰もいない教室。静まり返った空気の中、足音が一つ近づいてくる。 「、、、今日もここにいたんだ」 私は返事をしない。本を閉じて、ゆっくりと彼の方を見た。 「また、命令……してくれないかな」 「勝手に話しかけないで。許可、出してない」 彼はすぐに口を閉じる。でも目だけは、嬉しそうに揺れている。 「椅子、いらないよね?」 彼は素直に床に膝をついた。私は少しだけ笑う。冷たく、見下ろすように。 「そこで待って。
動いていいなんて、一言も言ってない」 彼は黙ったまま、じっと私を見上げていた。その視線すら、私は許していない。 「視線も命令待ち。そんなことも忘れたの?」 彼の目が、スッと伏せられる。 やっと静かになった教室。私はまた本を開いた。
ページをめくる音だけが響いていた。
っていう妄想。